21世紀を担うみなさん、こんにちは。今は幸せですか。平和で自由で、物も有り余っていて、何不自由なく過ごせていますが、感謝の気持ちを忘れていませんか。物を大切にしないと、必要な資源が少しずつ減っていきます。また、使い捨てなどが多いと、大量のゴミができます。捨てる場所もなくなります。自然も汚れてしまいます。私たちの子どもの頃は、どこの川もとてもきれいで、お米やお野菜が洗えるほどでした。今は、空気も水も汚れて、とても残念です。まだ使える物は上手に使いましょうね。物を大切にすることは、自分の命、人の命を大切に思う心につながっていると思います。社会や両親に育ててもらった命を大切にしましょう。そして、子どものみなさんが、お父さん、お母さんの心を動かして、みんなで物や命を大切にすると、きっとすばらしい世の中になると思います。よろしくお願いします。

 あなたたちのお父さん、お母さんを育てたのは私たち高齢者です。子ども時代、青春時代に大きな戦争を経験してしました。食べる物もなく、着る物のもなく、大変苦労をしました。戦争が終わってから一生懸命働きました。そして、自分たちの子どもには、こんな苦労はさせまいと、温かい、おいしい物を食べさせ、きれいな服も買って与えました。あまりに尽くし過ぎたのも、いけなかったと反省しています。年寄りが「もったいない、もったいない」と、よくいいますが、笑わないでください。戦争中は、米粒が数えられるくらいしか入っていない「おかゆ」を食べ、それもなくなると、イモのつる、大豆の絞りかすなども食べました。こんな戦争はもう絶対にいけません。

 今、私が切に思うことは、物を大切にし、感謝の気持ちを持ってほしいということです。みんなが仲良くして、「ありがとう、ありがとう」という声があちこちで聞こえるような、平和ですばらしい世の中をつくってくださいね。よろしくお願いします。